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まだ間に合う!「天空のアトラス イタリア館の至宝」展チケット追加!

大阪・関西万博の感動を再び!天空のアトラス イタリア館の至宝

10月13日に大盛況の中閉幕した大阪・関西万博。
たくさんの国々の趣向を凝らしたパビリオンが話題を呼び、日を追うごとにその盛り上がりが加速していきましたね。
ただ、せっかく行ったのにあまりの混雑ぶりで行きたいパビリオンに入れず残念な思いをした…という方も多かったでしょう。
多分、一番入りたかったのに入れなかった!と悔しい思いをしたと思われるパビリオンナンバーワン(予想)がイタリア館だったのではないでしょうか。
多くのパビリオンが現代的に時刻の文化や技術的な部分をAIや映像で表現していたのに相反し、実物を展示することにこだわったイタリア館。
その中でも、アジア初出展となる天空のアトラス像はSNSなどでも大バズリで大阪・関西万博の目玉のひとつでした。
大人気故に見られなかった方も多く、折角の機会だったのに…と思っている方も多かったと思いますが(私もその一人です)、日本とイタリアの国交160周年を記念して大阪市立美術館にて追加で展示してくれることが決まりました。
期間は2025年10月25日~2026年1月12日まで。
このニュースは万博が終了してもなお万博の盛り上がりを引き継ぐ形で大盛りあがりとなり、チケットは販売するやいなや2日も経たずにソールドアウトとなりました…

そんなプラチナチケットと化していた「天空のアトラス イタリア館の至宝」展。
私は無事にチケットを取ることが出来たので行ってきました!

ファルネーゼのアトラス 天球儀を抱える圧巻の存在感!

ファルネーゼのアトラス

こちらは、古代ローマ時代である西暦150年頃に作られたと言われている大理石の彫刻です。
高さ約2m、重さ2tという巨大な彫刻。
所蔵はナポリ国立考古学博物館。
今回アジア初出展です。
1546年頃、ローマのカラカラ浴場跡で発見され(テルマエ・ロマエ!)、名門貴族であったファルネーゼ枢機卿が収集したそうです。
ギリシャ神話に登場する巨人のアトラスが、オリュンポスの神々との戦いに敗れ、最高神ゼウスから天球を抱えるように命じられた姿がモチーフになっています。
美術的な価値だけでなく、アトラスが持つ天体には12星座や天の赤道、黄道、常現圏や常陰圏なども示されていて、当時の天文学を知るうえでも貴重な資料となっています。

彫刻の隅々までとにかく緻密で、今にも動き出しそうな筋の迫力とマントのドレープの柔らかさが相反している素晴らしい彫刻というだけでなく、モチーフのデザインそのものがとにかく素晴らしくて。
アトラスのちょっと悔しそうで苦しそうな表情とか、皺のひとつひとつが本当に素晴らしかったです。
そして天球部分。

細かく見れば見るほど本当に面白かったです。
2,000年近く前の彫刻に用いられているような様々な星座に心躍らされるだけでなく、子午線や赤道などがものすごく正確で今にも当たり前に使われているもので、当時の天文学のレベルの高さを実感させられました。

今回の美術展は、美術展にしてはものすごく珍しいのですが館内は撮影自由ということで、多くの方がその感動をスマホやカメラに収めていました。
手を伸ばしたらすぐに届きそうな一に展示してあるのに、望遠のレンズを付けたカメラで撮影する人なども居てちょっと面白かったです。

15世紀の宗教観が垣間見れる正義の旗

正義の旗(ペルージャのサン・ベルナルディーノ兄弟会のゴンファローネ)

こちらは1496年にペルジーノによって描かれた油彩画です。
現在はウンブリア国立美術館所蔵。
ペルジーノはルネサンス期の三大美術家の一人であるラファエロの師でもある人で、大人気の画家でした。
こちらの正義の旗は、サン・ベルナルディーノ兄弟会という宗教団体の依頼のもとに描かれたものです。
当時、兄弟会といわれる小さな宗教団体はあちこちに存在し、それらが宗教行列というイベントをする際に象徴的にして祈りを捧げていたのがこういったゴンファローネといわれる絵画(旗)だったそう。
左側が聖人アッシジの聖フランチェスコ、右側がシエナの聖ベルナルディーノで、後ろには祈りを捧げる兄弟会の面々が描かれています。
遠近法が上手に使われていたり、聖母子の周りを飛ぶ顔だけの天使たちのモチーフはこの時代らしい。
ちょっと平面的で写実的なタッチがいかにもルネサンス期に描かれた宗教画という感じですが、ひとつひとつの描写が本当に繊細で丁寧で素晴らしいです。

日本人外交官・伊東マンショの衣装を再現!

今回の大阪・関西万博で、イタリア館は安土桃山時代後半~江戸時代初期頃にイタリアへ渡った伊東マンショの衣装を当時のままの素材や技法で再現したものを展示してくれていました。
キリシタンの伊東マンショは、豊後の大友宗麟らの名代としてヨーロッパへの使節団の一員として選ばれました。
約8年にも渡る旅の中で、日本の文化や信仰などをローマなどで紹介し、東西の文化交流の起点となった方です。
伊東マンショがマントヴァ公にあてたお礼状も写真で展示されていましたが、こうして遠い日本からはるばるやってきた使節団をイタリアの方々は歓迎してくれたのがよく分かる内容の手紙だったそう。
伊東マンショなんて名前がつけられたり、彼の絵が残っているくらい、向こうの文化に溶け込んで居たのでしょうね。
ものすごく細部まで拘った再現衣装、こちらもイタリア館の目玉のひとつだったと言えるのではないでしょうか。

大阪・関西万博では見られなかったダ・ヴィンチのアトランティコ手稿

そして、今回のイタリア館の至宝展に合わせて来日してくれたのが、レオナルド・ダ・ヴィンチのアトランティコ手稿2点!
ダ・ヴィンチといえばモナ・リザや最後の晩餐などの絵画で有名ですが、そもそも万能の天才と言われていて、なんかもう意味がわからないくらい様々な分野で功績を残しています。
このアトランティコ手稿もそのひとつで、建築家としての一面が垣間見えるもの。
巻き上げ機や歯車、油圧ポンプの設計図だそうです。
よく見ると文字は鏡文字なのですが、これも他の人に真似されないためにわざとそうしているのだとか。
もう、天才すぎて意味わからないです。

ここでは敢えて1枚しか画像を載せませんが、ダ・ヴィンチのアトランティコ手稿はもう一枚あるので、是非現地で見てみてくださいね。

2025年11月14日12時~追加チケットの販売があります!

上記のように、本当に素晴らしいイタリアの至宝が展示されているのに、チケットが手に入らない!と嘆いている皆様に朗報です!
2025年11月14日12時~、11月18日以降の分の追加チケットの販売をすることが発表されました。
土日祝日は大阪市立美術館の営業時間を19時まで延長してくれることとなったので、その分チケットの追加販売があるそうです。
2025年11月14日12時頃から出現する大阪市立美術館のトップページバナーからJR西日本が運営する「tabiwa by WESTER」に飛び(トップページバナーからしか飛べないようです)お買い求めください。
WESTER IDが無いといけないので、事前にIDを作成しておくと良いかと思います。
また、当日券も若干数ですが毎日販売があるそうです。
11月18日以降の開館日、9:15~整理券の配布があるそう。
一人で2枚まで購入可能だそうです。
事前にチケットがゲットできなかったけれどもどうしても!という方はこちらで頑張ってください。

今までもいろいろな美術展に行ってきましたが、たった4つ(衣装を入れたら5つ)の展示しか無いのにこれほどまで人気の美術展は初めてでした。
けれども満足度としては相当高くて、しばらく余韻に浸っていました。
今でも思い出すと見に行けてよかった!と改めて思います。
人数制限されていたため、本当にゆっくりと閲覧することが出来たのも良かったのかもしれません。
多分万博で展示されているときにはこんなにゆっくり見られなかったと思うので、万博でも見たけれどももう一度改めてみたい!という方にもおすすめです。
実際会場内ではそういう声もちらほら聞こえましたよ!
なかなかない機会なので、ぜひ皆さんも見に行ってみてくださいね。


大阪市立美術館
天空のアトラス イタリア館の至宝展

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