1.ペット初心者でも飼育ができるハムスター
ハムスターは愛らしい姿で人気のあるペットですが、種類によって性格や飼育のポイントが異なります。ここでは代表的なハムスターの種類と、それぞれの飼育のポイントをご紹介します。
2.ハムスターの主な種類と飼育ポイント
ハムスターといっても種類によって性格も飼育のポイントも大きく異なります。そこでまずはハムスターの主な種類と飼育のポイントを紹介します
1.ゴールデンハムスター(シリアンハムスター、キンクマハムスターも含む)
- 体長・体重: 体長15~20cm、体重100~150g程度と、ハムスターの中では大きめです。キンクマハムスターはゴールデンハムスターのカラーバリエーションの一つで、飼育方法は同じです。
- 性格: 温厚で人懐っこい子が多いですが、縄張り意識が非常に強く、必ず単独飼育です。知能も高く、トイレを覚えやすい傾向があります。
- ケージ: 体が大きいため、幅60cm×奥行45cm以上の広いケージが推奨されます。金網タイプだと不正咬合(歯の噛み合わせの病気)のリスクがあるため、水槽タイプがおすすめです。
- トイレ: トイレを覚える子が多いので、トイレ容器とトイレ砂を用意してあげましょう。
- 回し車: 直径21cm程度の大きめの回し車が必要です。
- コミュニケーション: 飼い主の声や匂いを覚え、手乗りになる子も多いです。焦らず、少しずつコミュニケーションを取りましょう。
2.ジャンガリアンハムスター
- 体長・体重: 体長6~11cm、体重30~40g程度と、ドワーフハムスター(小型ハムスター)の一種です。
- 性格: 好奇心旺盛な子が多いですが、警戒心も強い面があります。慣れるには時間がかかることもありますが、手から餌を与えるなど、ゆっくりと慣らしていくと良いでしょう。
- ケージ: 小さい体ですが活発なので、幅30cm以上のケージが推奨されます。トンネルや階段などを設置してあげると、ケージ内でも飽きずに過ごせます。
- 温度管理: 1日の温度変化が10℃以上になると体調に影響を与え、10℃以下で疑似冬眠に入る可能性があります。理想的な室温は20~25℃です。
- 食事: 糖尿病になりやすい傾向があるため、餌の与えすぎに注意し、低カロリーのハムスターフードを選ぶのも良いでしょう。
- 多頭飼育: 相性によっては複数飼育も可能と言われますが、ケンカのリスクもゼロではないため、避難用のケージを準備しておくことが大切です。
3.ロボロフスキーハムスター
- 体長・体重: 体長7~10cm、体重15~30g程度と、ハムスターの中で最小の種類です。
- 性格: 臆病で神経質な子が多く、動きも素早いため、手乗りよりもその可愛らしい姿や動きを楽しむ観賞用ハムスターといえます。
- 慣れやすさ: 慣れるまでに時間がかかりますが、根気強く手から餌を与えるなど、ゆっくりと接していくと慣れる個体もいます。無理に触ろうとするとストレスになるので注意が必要です。
- 多頭飼育: 他のハムスターに比べて縄張り意識が低い傾向があり、多頭飼育できる可能性もあります。ただし、突然ケンカすることもあるため、避難用のケージを用意しておきましょう。
- トイレ: 水気の多い野菜を大量に与えると下痢を起こす可能性があるので注意しましょう。
- 掃除: 臆病な性格のため、日中にケージの掃除をするのは避け、朝早い時間など、ハムスターがまだ活動していない時間に行うのが良いでしょう。
4.チャイニーズハムスター
- 体長・体重: 胴が細長く、長いしっぽが特徴的です。体長はゴールデンハムスターとジャンガリアンハムスターの中間くらいです。
- 性格: 賢く、人になつきやすい傾向があります。運動神経が良く、木登りも得意です。
- ケージ: 運動能力が高いので、脱走防止のためにフタのあるケージを選びましょう。床面積が広いケージがおすすめです。
- 床材: 地中に巣穴を掘る習性があるため、ハムスターの体が埋まるくらいの厚さに床材を敷き詰めてあげると良いでしょう。
- 臭い: 体臭が少なく、糞も乾燥すれば臭いはほとんど気になりません。
【全ハムスターに共通する飼育の基本】
- 単独飼育が基本: 多くのハムスターは縄張り意識が強く、複数で飼うと激しいケンカをすることがあります。基本的に1匹につき1つのケージを用意しましょう。特にゴールデンハムスターは単独飼育が必須です。ジャンガリアンハムスターやチャイニーズハムスターは相性によっては複数飼いできる可能性もありますが、万が一に備えて予備のケージを用意しておくことが推奨されます。
- 適切な温度・湿度管理: ハムスターは暑さにも寒さにも弱いです。理想的な室温は20~25℃、湿度は45~55%程度を保ちましょう。10℃以下になると疑似冬眠に入り、命の危険があるため、冬場はパネルヒーターなどで保温が必要です。夏場は冷却グッズやエアコンで暑さ対策をしましょう。
- 広いケージを用意: ハムスターは活発に動き回るため、できるだけ広いケージを用意してあげましょう。高さよりも床面積の広いケージが適しています。水槽タイプは脱走防止や怪我の防止に優れています。
- 清潔な環境維持: 不衛生な環境は病気の原因になります。毎日、給水器の水の交換と餌の食べ残しの処理、トイレの掃除を行いましょう。週に1回程度はケージ全体の掃除を行い、床材の一部を残して交換することで、ハムスターの匂いに配慮しつつ清潔を保てます。
- バランスの取れた食事: ハムスター専用のペレットを主食とし、野菜や果物、動物性たんぱく質などをバランスよく与えましょう。ヒマワリの種などカロリーの高いおやつは肥満の原因になるので与えすぎに注意が必要です。
- 十分な運動: 回し車はハムスターの運動不足解消に必須です。適切なサイズの回し車を選びましょう。
- ストレスに配慮: ハムスターは繊細な動物です。急に触ったり、寝ているときに起こしたりするとストレスになります。環境の変化にも敏感なので、お迎えしてすぐはそっとしておき、徐々に慣らしていくようにしましょう。
これらのポイントを参考に、お迎えするハムスターの種類に合わせて、快適な飼育環境を整えてあげてください。そうすれば家族に迎えたハムスターと一日でも長く一緒に暮らすことができます。何か気になることがあれば、専門家や動物病院に相談することも大切ですので、近隣にハムスターを観てくれる動物病院をチェックしておきましょう